共テ当日に殺される?死に戻って復讐モード第3話
第3話は約1,223文字で、このサイトに収録された3章の冒頭章のうち最後の章です。第4話は公式アプリで続きます。
全ては僕の予想通りだった。
駿が教えてくれた近道は、何の役にも立たなかった。
車内からは元の騒がしさが消え、みんなの顔には不安が滲んでいた。
スマホで時間を確認するたび、クラスメイトたちが青ざめていく。
「ねえ、本当に間に合わないの?」
図書委員の吉川拓海(よしかわ たくみ)が絶望的な表情で運転手に尋ねると、運転手に冷たくあしらわれた。
そもそも、こいつらの勝手な都合で出発が遅れなければ、こんなことにはならなかったのだ。
バスが試験会場に着いた頃には、門はすでに閉ざされていた。
朝香は血の気を失った顔で車を降り、信じられない思いでつぶやいた。
「そんな、嘘でしょ?」
拓海が無理やり門をくぐって入ろうとしたが、警備員に阻止される。
「共通テストはもう始まっています。どんな理由があろうと、入場は許可できません」
バスから降りてきた他のクラスメートたちは、腰を抜かしていた。
朝香が言うように、一教科でも受け損ねれば人生が台無しになる共通テストに、ここにいる全員が間に合わなかったのだ。
僕は彼らを冷めた目で見つめ、気分は最高だった。
駿に付き合って、自分たちの未来を台無しにする道を自ら選んだじゃないの?
どうして今更になって泣き喚いているの?
その時、朝香が口を開いた。
「みんな、焦らないで。遅刻には理由があるんだから、先生に事情を話せば試験を受けさせてもらえるはずよ」
皆の表情がパッと明るくなり、藁にも縋る思いで、一斉に学校の教師たちを探そうとした。
だが動き出す前に、怒りに震えた担任が何人かの教師と一緒に現れた。
校長の表情を見て、朝香の心の中で悪い予感がした。
「こんな時間に到着して、何がしたいんだ?今更会場に入るなんて無理に決まってる」
「故意に試験を放棄したと判断しなかっただけでも、感謝するんだ」
担任が激怒して言い放つと、雨の中で待っていた保護者たちが呆れたように口を開いた。
「こんな重要な日に遅刻するなんて、自分たちの人生に対して無責任すぎるわよ」
「もしうちの子がこの中にいたら、説教だけじゃ済まないわ!」
その罵声に、クラスメートたちの顔から血の気が失せた。
拓海は朝香の襟元を掴み、怒鳴り声を上げた。
「二宮、間に合わないなんて神崎が嫉妬でついている嘘だから、藤村を信じて待ってほしいって言っただろ!
なんで俺たちは会場にすら入れなくなったんだよ!」
周りの皆も同じように朝香を睨みつけ、彼女は顔を伏せて、悔しそうな表情になった。
駿は目を潤ませ、かき消されそうな声で呟く。
「普段は渋滞なんてないのに、なぜ今日に限って車が止まってしまったんだ?」
自分を責めるようなその発言は、実は他人を誘導するためだった。
朝香は唐突に顔を上げ、僕を血走った目で睨みつける。
「嶺、あんたが仕組んだんでしょ?駿を恨んで試験を台無しにするつもりだったのね。駿がバスに乗れたから、今度はあんたの母親にお願いして道を渋滞させたんだわ。
本当にひどい男ね。嫉妬だけで、私たちの将来を平気で壊すなんて」