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私とあなたの距離は遥か彼方第3話

第3話は約1,336文字で、このサイトに収録された3章の冒頭章のうち最後の章です。第4話は公式アプリで続きます。

「奥様、お嬢様がどうしても物置に行って幼い頃の人形を探すって言い張ってて、止められませんでした。

物置は埃がひどいですし、お嬢様が喘息を起こしたら……」

私はトランクを閉め、大きく息を吐く。

「私が人形を探しに行って。あんたたちは彼女を止めてて」

だが物置に入ると、扉がバタンと閉められた。

外から一花の得意げな声が聞こえる。

「ママ、今日は規則とスケジュールを破ったから、罰を受けてもらうよ。

謝れば出してあげる。謝らないなら今夜はここにいてもらうからね」

私が黙っていると、一花の声に焦りが混じる。

「今、あなたのスマホは外にあるから、誰も助けてあげられないよ」

私は物置の灯りを点け、冷たく言う。

「勝手にしろ」

「今夜はパパがおばさんを連れて祝賀会を開くんだから、ここにいて、邪魔しちゃダメ!」

私の言葉を聞くと、一花の鋭い声が伝わってきた。

そして、彼女は勢いよく扉を蹴って出て行った。

足音が遠ざかるのを聞きながら、私は背を扉にもたれ、うなだれた。

物置の中の物を見て、また胸がひりつく。

そこには私が昌也と一花のために用意したプレゼントが山積みで、厚い埃に覆われ、一部は包装さえも開けられていない。

埃を気にせずに次々とプレゼントを開けると、一つ一つが過去の甘い記憶を呼び戻す。

舞い上がった埃で咳き込み、目尻に涙が滲む。

最後のプレゼントを開けたあと、私はライターを取り出し、全部のプレゼントを積んで火をつけた。

狭い物置はすぐに濃い煙で満ち、警報が鳴り響く。

執事が人を連れて駆け込み、扉を開けて私を引っ張り出して消火に当たる。

昌也が怒りにまかせて駆けつけ、躊躇なく私の顔を平手打ちした。

「須藤玲奈、狂ってんの!放火するなんて!

莉緒が気に入らないからって、彼女の祝賀会をぶち壊すつもりか!」

一花はプリンセスドレスを着て、整った顔に怒りが浮かぶ。

「ママ、規則を守らないなら、罰を受けて!」

そう言うと、彼女は使用人に指示して、私がまとめたトランクを火の中に放り込ませた。

彼女は私が崩れ落ちて大声で騒ぐのを待っている。

だが私はそのトランクを一瞥しただけで、まっすぐホールへ歩き出した。

昌也は私の目的を察して、私の腕を掴んで冷たく言う。

「何をするつもりだ?」

私は力強く振りほどき、大股で祝賀会の会場へ向かった。

背後から昌也の呻き声と一花の心配そうな声が聞こえたが、足は止まらない。

ホールに入ると、莉緒が私の服を着て満面の笑みで客と応対しているのを見かけた。

彼女は得意げないでたちだ。

胸が締め付けられるのは、彼女の首にかかったネックレスが、私の両親が18歳の成人式の日にくれた贈り物だ。

そのナックレスは金庫にしまわれ、暗証番号は私と昌也だけが知っているはずだ。彼女が誰の許可を受けて身につけているのは明らかだ。

私は躊躇なく前に進み、彼女の驚きの表情を無視して、彼女の首にかかったネックレスをひったくった。

莉緒はよろめき、倒れそうになる。

背後で昌也が駆け寄り、彼女を支えながら低い声で怒鳴る。

「須藤玲奈、いい加減にしろ!海外の案件は莉緒のおかげで成功するんだ。狂うなら出て行け!」

私は彼の怒りと一花の軽蔑の視線を見ても、もう何一つ動揺しなかった。

ただネックレスを掲げて問いただす。

「これも、あなたの指示なの?」

冒頭章はここまで

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